円からユーロの両替って、イタリアへ海外旅行するとき、どこで行うのが一番お得なのでしょうか?
ドルやユーロは、メジャーな通貨なので、他の通貨とは少し違うとも聞きますよね。「ドルやユーロは現地より日本で両替したほうが得」などの説も耳にします。
それらは本当なのでしょうか?2018年1月に現地へ飛んで検証してきたので、ここで紹介します。
- 1 ユーロ両替をどこですると良いのか?
- 2 今回は基準レートを1ユーロ=136円で設定
- 3 日本の銀行や両替屋のユーロ両替
- 4 ユーロ両替の手数料は何があるか?
- 5 ローマ フィウミチーノ空港の両替所でのユーロ両替は最悪
- 6 ローマの空港ATMでのユーロ海外キャッシングは要注意
- 7 イタリア・ローマではEuronetのATMでの海外キャッシングは要注意
- 8 ローマの街の両替所のレートは良くなかった
- 9 ローマの街の銀行のATMキャッシングはおすすめ。安心の格安レート
- 10 検証結果:ユーロは現地より日本で両替しろ説は古い
- 11 イタリア ローマの空港での外貨両替の注意点
- 12 まとめ:おすすめお得なユーロ両替方法はコレ!
ユーロ両替をどこですると良いのか?
円からユーロに両替するとき「どこで」両替するか、という問題があります。例えばイタリアのローマへの旅行なら大きく分けると、↓このような感じで6種類くらいの両替場所があります。
①日本の銀行や両替屋
②日本の空港の銀行や両替屋
③イタリアの空港の両替所
④イタリアの空港のATM
⑤ローマの街にある両替所
⑥ローマの銀行のATM
今までのアジア各国の調査では、↑この順番がキレイに、下に行くほど両替レートがお得でした。では、ユーロ圏ならどうなのか?
前回のフランス パリでの調査に引き続き、イタリア ローマでは、どうなのか?見ていきたいと思います。
今回は基準レートを1ユーロ=136円で設定
まずは基準レートを決めます。
今回は、
1月15日夕方@ローマ空港
1月16日朝@バチカン付近
1月16日夕方@ローマ市内
という3ヶ所、3つの時間で調査しました。ですので、それぞれの時間の基準とするレートは、yahoo.comのレートを表示するアプリから、↓こうしました。
1月16日朝@バチカン付近 1ユーロ=136円
1月16日夕方@ローマ市内 1ユーロ=135.5円
メインとなる、ローマ現地でのATM引き出し(=海外キャッシング)は16日朝に行いました。
[コツ]必ずその日の基準レートを確認してから外貨両替すべき
フランス調査の記事にも書きましたが、もう一度ここでも書いておきます。
「両替所で騙されて損した」みたいな話はよく聞くと思います。ですが、あとで詳しく書きますが、最近、両替所だけではなく、ATMでも意味不明な高いレートで勝手にお金を出してくるATMがあります。(最近、徐々に増えている感じがします)
でも、安心してください。
なので、ATMで下ろすにせよ、両替所で外貨両替するにせよ、必ずその日の基準レートを確認してから外貨両替するようにしてください。
日本の銀行や両替屋のユーロ両替
今回のイタリア旅行は、フランスから移動してきたので、当日の日本の銀行や両替所のレートを調べられませんでした。
なので、比較のために、2018年1月29日のユーロレートの上乗せ率で比較してみます(フランス調査の記事でも使ったもものと同じです)。
まず、1月29日の基準レートを出します。三菱UFJ銀行のユーロのレートは、CASH BUY 131.01円 で、CASH SELL 139.01円だったので、真ん中(仲値)を取ると、135.01円。アプリから取ったyahoo.comでも、135.02円だったので、ほぼ同じ。ここの基準レートは「135.01円」で計算します。
大黒屋、GPAなど日本の両替所のユーロ両替の上乗せ率
まず両替屋さんのレートと上乗せ率です。(太字が上乗せ率)
●GPA両替所 138.74円 +2.76%
●大黒屋 139.08円 +3%
インターバンクさんは、レートだけなら「0.57%」と良いのですが、郵送の場合は振込手数料と送料500円がかかるので1%プラスしておきます。店舗へ行くとしても交通費がかかるので、やはりプラス1%が妥当かと。
日本の銀行のユーロ両替(三菱UFJ、みずほ、三井住友など)の上乗せ率
次に銀行のレートの上乗せ率です。一応、成田空港、羽田空港、関西国際空港、中部国際空港(セントレア)に支店や出張所を出している銀行を調べてみました。上乗せ率が良い順に並べています。(太字が上乗せ率)
●池田泉州銀行 137.82円 +2.08%
●京葉銀行 138.82円 +2.82%
●千葉銀行 138.99円 +2.95%
●三菱UFJ銀行 139.01円 +2.96%
●三井住友銀行 139.08円 +3.01%
●みずほ銀行 141.02円 +4.45%
日本の空港の銀行や両替所の上乗せは2%〜3%ということがわかりました。(レート最悪の、みずほ銀行を除く)
ユーロ両替の手数料は何があるか?
ここで、すこし復習しておきましょう。外貨両替の手数料は、両替手段によって少し変わります。
銀行や両替所でかかる手数料
●銀行:レートに上乗せ(+両替手数料)
●両替所:レートに上乗せ+両替手数料
↑銀行でレートとは別に両替手数料を取るところは少ないです。また、両替所も両替手数料を取るところと取らないところがあります。日本の両替所は取らないところが多いですが、海外の両替所は取るところもチラホラあります。
海外ATMで現地通貨を引き出したときの手数料
次に、海外ATMで現地通貨を引き出したときの手数料。これは少し複雑です。カードの種類によって手数料が変わります。
●キャッシュカード/デビットカード/プリペイドカード:
レートに上乗せ+カードのATM手数料+ATM設置者のATM手数料+海外事務手数料
●クレジットカード:
レートに上乗せ+カードのATM手数料(+ATM設置者のATM手数料)+利息
↑これ、クレカの手数料が少ない理由は、クレカでのキャッシングは「利息以外を取っちゃダメ」という決まりになっているからです。ATM設置者のATM手数料も、クレカの場合は取られないことが多いです。実際に、このローマでの調査でもATM設置者手数料は取られませんでした。ほんと、このへんはカード会社に感謝ですね。
あと、「カードのATM手数料」は、かかるカードと、かからないカードが会社ごとに決まっています。もちろん、かからないカードを選ぶほうが得です。(参考記事⇒海外ATM手数料が無料のカード、有料のカード一覧)。
あともう一点、↑この枠の中の文字数からもわかるのですが、国際キャッシュカード比較表)。
です。クレカは繰上げ返済で利息をかなり少なくできますしね。キャッシュカード/デビットカード/プリペイドカードのほうが総手数料は多いです。(このへんの比較もこちらでしています⇒以上、復習でした。
では、↓ここから、ローマ現地調査の結果です。
ローマ フィウミチーノ空港の両替所でのユーロ両替は最悪
ローマ フィウミチーノ空港での調査は、ローマ市内での調査よりちょっと時間が早かったので、基準レートは135.8円で計算します。
ローマの空港内、手荷物受け取りの手前に両替所を発見。
まあ高いんでしょうけどえね。覗いてみます。
なんと、↓この値段。
パリでも無かった15%超え(苦笑)。出ました。最高の13.2パーセントの上乗せ!なんと、日本の銀行の5〜7倍の手数料!ローマの空港で外貨両替するのは最悪ですね。覚えておきましょう。
ローマの空港ATMでのユーロ海外キャッシングは要注意
さあ、次は、ローマの空港のATMです。
今回、手荷物受取場のすぐ横にATMを発見。
EuronetのATM。パリ空港のトラベレックスのATMでは驚かされましたので、警戒しつつ、使います。まあ、でも、レートが1ユーロ=136円以上なら、引き出し中止にすればいいだけ。使ってみましょう。
ハイ、↓このレート画面が出ました。
20ユーロで3024円ですから、明らかに150円以上。これは即キャンセルですね。そのATMで取引したくない場合は、↓このように、下のテンキーの横のキャンセルボタンを押します。キャンセルボタンは赤のボタンです。「赤=キャンセル」というのは世界共通なので覚えておきましょう!
レートが悪いのは、わかっていますが、一応、計算してみます。基準レート(仲値)の135.8円から上乗せ率を計算すると、↓こんな感じ。(太字が上乗せ率)
↑スゴイ数字です。日本の銀行の3〜4倍の上乗せ。こわいですね、ボッタクリATMって。トラベレックスのATM同様、EuronetのATMにも注意してください。
↓こちらは帰りのローマ空港で見たATM。やはりユーロネットでした。
ローマ・フィウミチーノ空港内のATMはユーロネットが多いので、ATM引き出しするときは使い方に注意してください。
(ただし、これらのEuronetのATMでも良いレートで使う方法はあります。その方法については、また別の記事で紹介します)
イタリア・ローマではEuronetのATMでの海外キャッシングは要注意
EuronetのATMですが、空港以外にもコロッセオの駅近くの売店内に見つけたので、レートを見るために試しに使ってみました。
ATMに表示されたレートは↓これ。
(※太字が夕方の基準レート135.5円に対する上乗せ%)
EuronetのATMは、空港だけではなく、どこでも使っちゃダメだ、ということが判明しました。
その他の場所でも、ユーロネットATMは、ちょくちょく見かけました。
↓コロッセオ前の売店の中にあったユーロネットATM。
↓パンテオン近くの両替所の中にあったユーロネットATM。
↑これら全て、ユーロネットATMは、基本的にはボッタクリレートを提示してきますので、ご注意ください。
(さきほども書きましたが、このユーロネットのATMでも良いレートで使う方法はあります。その方法については、また別の記事で紹介します)
ローマの街の両替所のレートは良くなかった
次に、ローマの街の両替所のレートを見てみましょう。
調査した日は、同じ1月16日です。朝と夕方で時間差があったのですが、そこまでレートは違っていなかったので、基準レートは同じ「1ユーロ=135.5円」で見ていきます。さあ、どれだけ上乗せされているんでしょうか。
6ヶ所で調べてみました。
ローマ市内の6つの両替所のレートと上乗せ率は、↓こちら。
両替レートが良い順に並べます。
●コロッセオ近く 143.34円 +5.8%
●パンテオン近く① 149.391円 +10.3%
●パンテオン近く② 149.391円 +10.3%
●テルミニ駅内 152.107円 +12.3%
●バチカン近く 152.628円 +12.2%
↑こう見ると、上乗せが2〜3%である日本の銀行より悪いですね。
あとはローマの中の場所によってもレートは、かなり違う様子。ただ、まあ、全体的に上乗せがひどいので、ローマの街の両替所でユーロ両替すると損、ということは言えると思います。
ローマの街の銀行のATMキャッシングはおすすめ。安心の格安レート
最後に、本命である、ローマの街にある銀行のATMでユーロ引き出しをしてみます。引き出した時間は、同じ日の16日の朝。場所は、バチカン市国から北へオッタヴィアーノ駅へ行く途中にたまたま見かけたATM。
サン・ミニアート貯蓄銀行(Cassa di risparmio di San Miniato)のATMでした。こういう全然知らないATMでも引き出しができるのが、海外キャッシングが便利な点ですよね。
今回は、通勤の時間で人が適度に歩いていたので、防犯上も問題ないかと思い、外にむき出しのATMを選んでみました。
一応、ATMの選び方についても書いておきます。↓こんな感じ。
同じATMで、4枚のカードでキャッシング調査しました
今回のローマでの調査は、4枚のクレジットカードで20ユーロずつ引き出しして行いました。(今回は、キャッシュカードやデビットカードは手数料が高いことがわかっているので、クレジットカードだけで引き出ししました。)
すべて利息込みのレートで、結果は↓こんな感じ。
●セディナmaster[繰]136.15円+0.11%
●エポスVISA[繰]138.65円 +0.74%
●楽天カードJCB 138.55円 +1.88%
●エポスカードVISA 138.65円 +1.95%
●リクルートmaster 139.8円 +2.79%
※[繰]は、繰り上げ返済したという意味です。
出ました!
です!セディナはスマホでペイジーを使って簡単に無料で繰上返済ができるので、利息3日分で繰上げ返済ずみ。↑この数字は繰り上げ返済時のレートです(利息分も含めたレート)。エポスカードでもペイジーで無料で繰り上げ返済ができるのですが、私だと毎月6日、その月の支払い額が確定する日まで待たないと繰上返済できません。そのぶん、金利がかかってしまうので実際はイマイチ。今回は、繰り上げ返済して利息23日分で返済、繰上げ返済ナシだと利息40日分でした。
セディナ・エポス以外のカードは、繰り上げ返済をしようとすると、国際電話代&振込手数料が必要になるので、やっていません。「繰上返済しない利息を含めた額」で出してあります。
また、エポスカードと楽天カードは、ここに、さらにそれぞれ108円の「カードのATM手数料」がかかるので、ご注意くださいね。
VISA、マスター、JCBで、どれが一番お得なレートなのか、という比較は、↓こういう結果に。
↑今回は、いつもレートが少し悪いVISAが他の2つと、そんなに変わりませんでした。あと、リクルートカードmasterだけレートが悪かったのは、他の3枚の引き出しが7時台で、1枚だけ朝8時台になってしまい、レートが変わったからだと思われます。
ということで、改めて結果です。
セディナカードでのローマの銀行ATMで、今回、最安値の136.15円。
でした。検証結果:ユーロは現地より日本で両替しろ説は古い
よく聞くアドバイスである「ユーロは現地より日本で両替しろ」説ですが、これ、もろくも崩れ去りました。フランスでの調査に引き続き、ローマでも違いましたね。
おそらく、この説って、銀行や両替所だけのレート比較のことで、ATMのことは入ってないんでしょうね。たしかに、ユーロの両替所だけで見ると、現地より日本のレートのほうがお得ですもんね。
ただ、今は、便利なクレカとATMがある時代。
もう両替所だけの時代じゃないんですからね。我々はATMを使って、しっかり節約していきましょう。
イタリア ローマの空港での外貨両替の注意点
ここからは節約方法のまとめです。まずは空港でのまとめから。
●空港の両替所の店舗はレート悪いので使っちゃダメ
●空港のATMは全てEuronetのATMなので基本的にレートは最悪
●EuronetのATMは使い方次第。格安レートで使う方法アリ
このローマの前に、パリでも同じ調査をしたのですが、パリの空港のATMはトラベレックスのATMで、基本的にレートが悪いATMでした。(お得な使い方もありますが)
ヨーロッパはATMをすべて信用しちゃダメですね。要注意ATMについては、↓こちらの別記事にまとめたので、こちらの記事もぜひ御覧ください。
まとめ:おすすめお得なユーロ両替方法はコレ!
全24ヶ所の両替方法をランキングにしてみます。↓このような結果になりました。
ユーロ両替レート比較ランキング@イタリア ローマ
ローマの銀行ATMでセディナmasterで引き出し&ペイジー繰上げ返済 +0.11%
ローマの銀行ATMでエポスカードVISAで引き出し&ペイジー繰上げ返済 +0.74%
日本のインターバンク両替所で両替 +1.57%
4位以下のランキングは↓こうでした。
●紀陽銀行 +1.93%
●池田泉州銀行 +2.08%
●ローマの銀行ATMで楽天カードJCBで引き出し +1.88%
●ローマの銀行ATMでエポスカードVISAで引き出し +1.95%
●GPA両替所 +2.76%
●ローマの銀行ATMでリクルートmasterで引き出し +2.79%
●京葉銀行 +2.82%
●千葉銀行 +2.95%
●三菱UFJ銀行 +2.96%
●大黒屋 +3%
●三井住友銀行 +3.01%
●みずほ銀行 +4.45%
●トレビの泉近く両替所 +5.8%
●コロッセオ近く両替所 +5.8%
●パンテオン近く両替所① +10.3%
●パンテオン近く両替所② +10.3%
●ローマ空港 EuronetのATM +11.3%
●テルミニ駅内両替所 +12.3%
●コロッセオ近く EuronetのATM +12.4%
●バチカン近く両替所 +12.6%
●ローマ空港の両替所 +16.6%
なんと、1位と最下位と手数料の差は150倍でした(笑)。
↓ポイントをまとめておきます。
●一番おすすめなのは、街の銀行ATMでクレカ引き出し&繰り上げ返済
●カードは繰上返済が簡単なセディナが一番お得
●ローマのユーロネット(Euronet)ATMは使い方次第。格安で使う方法アリ
●両替所や銀行でユーロ両替するなら、日本でしたほうがお得
●日本で両替して行くなら、インターバンクがお得
●一番損するのは、ローマ空港の両替所での両替
●キャッシュカード/デビットカードも良くない
という感じでした。
やはりイタリア ローマでも一番お得なのは、セディナカードでのATM引き出し(海外キャッシング)+繰り上げ返済でした。
この方法に興味ある方は↓こちらの記事を参考にしてください。
最近は、↓このカードがセディナよりもお得なことが多いです。
以上、ユーロ両替比較@イタリアでした!
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このローマ現地調査時は使っていなかったのですが、ユーロのカード払いなら、↓このソニー銀行のデビットカードでのカード払いがお得です。
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ユーロ両替の最新情報は、↓こちらの記事にまとめています。