海外キャッシング(海外ATM引き出し)も、もちろんメリット・デメリットがあります。デメリットを中心に、その対策も含めて、このページにまとめておきます。
海外キャッシングとは
海外キャッシングとは、海外の現地ATMで現地通貨を引き出すことです。この機能は、VISA/JCB/マスターなどのマークが付いているカードならほぼ全てのカードで使えます(マークは、PLUSやCirrusでもOK)。
ただし、この多くのカードで使える海外キャッシング。表面上は「同じお金のATM引き出し」ですが、カードの種類によって意味が違います。↓続きます。
海外キャッシングはカード種類によって意味が違い、手数料も違う
●デビットカード/国際キャッシュカード(=銀行カード)/海外用プリペイドカードの場合は、預けたお金の引き出し
●クレジットカードの場合は、借り入れ(借金)
「クレカだと借金になるの?!利息をボッタクられるのでは?」と一瞬心配になりますよね。
でも、実は逆。使い方を間違わなければ、デビットカードやキャッシュカードのほうが高い「海外利用手数料」を取られます。
んです。●デビットカード/国際キャッシュカード/海外用プリペイドカード 2〜5%
●お得なクレジットカードで繰上返済時 0〜0.2%
約2〜5%の差ですから、10万円引き出すと手数料で2000〜5000円の差になります。結構大きいですよね。
しかも、この手数料に加え、デビットカードやキャッシュカードの場合は、現地ATMオーナー手数料(大体数百円)も取られます。クレカの場合は、現地ATMオーナー手数料は、ほぼ取られません。
海外キャッシングの金利は大体が年18%。1日約0.05%
クレカでの海外キャッシングの手数料は、大部分が「利息」です。利息は、ATM引き出しをした翌日から1日ごとに積み上がっていきます。
多くのクレカで年利は18%です。ですので、365日で割ると、18%÷365日=0.049% つまり、1日ごとに約0.05%の利息が増えていく、というわけです。
10万円を引き出した場合は、翌日返済なら利息は5円。翌々日返済なら利息は10円、10日後なら50円、30日後なら150円というわけです。意外に少ないですよね。
クレカでの海外キャッシングは繰り上げ返済をすると手数料を減らせる
しかも、クレカには強烈にお得な方法があります。繰り上げ返済です。1日ごとに利息がかかるということは、早めに返済すると利息は少なくなりますよね。その早期返済のことを「繰り上げ返済」と呼びます。
クレジットカードの中でお得なのが、アコムでセディナ(OMC系)です。アコムとセディナ(OMC系)のカードは、「Pay-easy(ペイジー)」というシステムを使い、ネット上で手軽に、しかも手数料無料で繰り上げ返済ができます。アコムなら即日返済(=利息ゼロ)も可能。セディナなら約3日後に返済可能です。
その他のカードとの手数料比較は、↓こちらで詳細に行っています。
海外キャッシング手数料比較一覧表
では、海外キャッシングのメリット・デメリットを全体的に見ていきましょう。
海外キャッシングのメリット/長所
海外ATM引出しは両替レートが良く&手数料が安い
海外ATM引き出し(=海外キャッシング)は、空港や現地の銀行窓口・両替所の現金両替より両替ートが良いです。VISAやMastercardなどの国際ブランドの両替レートを使っているから。
そして、海外ATM引出しは、世界20ヶ所以上の調査結果はコチラ)
これが一番のメリット。(ただし、この「手数料の少なさ」のメリットに関しては、1番お得なアコムACマスターカードや2番目にお得なセディナカードを選ぶか、一般的なカードを選ぶか、によってお得さが変わります。(クレカ以外のカードは、これまた別の手数料がかかるので、特におすすめしません)
カード払いよりも手数料が安い
海外ATM引き出し(=海外キャッシング)は、カード払いよりも手数料が安いです。
カード払いの場合、クレカだと約2〜3%、デビットカードやプリペイドカードだと3〜4%の海外手数料がかかります。一方、
日本で外貨両替する手間が省ける
日本での外貨両替は何かと面倒。海外ATMなら現地空港にもありますし、便利。空港によっては、税関を出る前にATMがある空港もあります。
現金を持ち歩く必要がなく、安心
ATMなら少額引き出しでも誰も文句を言いません。必要なときに、必要な分だけ引き出せばOK。大金を持ち歩くことがなくなるので安全です。
犯罪者の多い両替所に行く必要がなくなる
大体ですが、レートの良い両替所って、人通りも多く、付近に悪い人たちも多いもの。観光客が集まるので、犯罪者もターゲットを選びやすい。そういう場所に行かなくて済むのは、大きなメリットです。
海外キャッシングのデメリット/短所
そもそもATMが無いと、できない
ATMができないと海外キャッシングができないのはデメリットですね。ただ、最近では、主な国際空港には、まずATMがありますので、問題なし。
また、↑このように、Googleマップで「ATM」と検索すれば、海外でもATMの場所を見つけることができます。
海外キャッシングではポイントはもらえない
カード払いならもらえるポイントですが、キャッシングの場合は、もらえません。これはデメリットですね。
ただし、海外では、これはデメリットとは言えません。
なぜなら、カード払いには「海外ショッピング手数料」がかかるから。
海外カード払いでかかる手数料率は、クレカだと2〜3%です。一方、ポイント還元率が良いと言われるカードの還元率は大体1%と言われます。つまり、海外でのカード払いは、マイナス1%〜マイナス2%なのです。
それならポイント無しでも、プラマイゼロの海外キャッシングのほうがお得ですね。
海外キャッシング不可のカードがある
アメックスが発行するカードや、ビューカード系、あとは、JCB EITカードなど、海外キャッシング不可のカードがあります。
しかし、そもそも海外キャッシング(海外ATM引き出し)は、お得な形で繰り上げ返済をしないと、格安両替所より得になりません。なので、最初からカードを選んで行う必要があります。(参考:海外キャッシング手数料比較表)
節約には繰り上げ返済は必須。やり方を覚える必要がある
すぐ上で書きましたが、海外キャッシング(海外ATM引き出し)は、お得な形で繰り上げ返済をしないと、本当に格安な両替所より得にはなりません。お得に外貨両替をするなら、繰上げ返済は必須です。(繰上げ返済のしやすさの面で、おすすめは、ネット上で返済できてしまうアコムACマスターカードとセディナカードです。
参考記事:アコムACマスターカードの繰上返済の手順
参考記事:セディナカードの繰上返済の手順)
キャッシングを利用すると、ショッピング利用枠が少なくなる?
「クレジットカードで海外キャッシングを利用すると、ショッピングで使える分が減るのがデメリット」と言う人もいますが、繰り上げ返済をするなら、その問題も解決します。
なぜなら、繰り上げ返済をした時点で、そのキャッシングで利用した分は帳消しになるからです。繰り上げ返済をすると、その時点から、またカードの限度額いっぱいまで使えるようになります。
海外のATMでは暗証番号が必須
海外のATMで海外キャッシングするときは、暗証番号が必要です。必ず覚えておいてください。
4ケタの暗証番号で大丈夫です。6ケタを要求された場合は、4ケタを入力した時点でエンターキー(緑のOKキー)を押せばOKです。
海外のATMの使い方がわからないと引き出せない
韓国やタイは、ATMに日本語表示が出ますが、その他は英語で対応することが多いです。でも、決まった英語なので、そんなに難しくありません。これは慣れましょう。
↓このJCBとマスターのATMシミュレーターで練習するのがオススメ。
このサイト内の記事でも、世界各国のATMの操作動画を公開しています。↓こちらです。
海外各地のATMの使い方
ATMによって、一回ごとや一日ごとに引き出し限度額がある
この引き出し限度額、これがATMの一番の短所かもしれません。ATMによっては、一回の引き出し限度額が、1、2万円程度のこともあります。これは同じ国でも、銀行によって違います。引き出し限度額が低すぎるATMのときは、別銀行のATMを使うようにしましょう。
一回引き出すごとに「ATM引き出し手数料」がかかる場合がある
ATM手数料は、2種類あり、そのどちらのATM手数料も、かかるか、かからないか、というのは、実は、コントロール可能。
①現地のATM所有者(銀行など)のATMオーナー手数料
②カード発行会社が取るATM手数料
①は、デビットカードなどでは取られますが、クレジットカードの場合は取られないことが多いです。なぜなら、クレジットカードでは「キャッシング=借金」であり、借金では利息と決められたATM手数料以外は取ってはダメ、という決まりがあるからです。
②は単純。カード会社によって取る会社と取らない会社があります。(一覧はコチラ⇒詳細記事) セディナカードなど、海外ATM手数料を取らないカードを選んで使いましょう。
極悪レートのATMが、たまにある
たまにですが、極悪レートを提示してくるATMがあります。でも、そういうATMでも、ハッキリした見分け方があり、その極悪レートを断れば、通常の良いレートで引き出し可能です。
見分け方は、簡単に言えば、「両替(Conversion)を勧めてきたり、日本円の金額を提示してきたら注意」というもの。
こちらの記事で詳しく解説しています。⇒極悪レートの海外ATM増加中。海外キャッシングで注意するポイント
海外ATMはスキミング犯罪の恐れがある
海外では、たしかにスキミングに遭う可能性は日本より高いのですが、これは、注意すれば、かなりの確率で予防できるものです。(参考記事:スキミング防止対策まとめ)
また、ATMの選び方でも、犯罪に遭う確率を減らすことができます。(参考記事:安全なATMと危険なATMを見分ける方法)
クレジットカードは、現金持ち歩きより100倍安全!
クレジットカードって、慣れるまで持ち歩くのが怖いかもしれないですが、海外なら絶対に、持ち歩きは現金よりクレジットカードです!
私はカバンごと盗まれたことがあるのですが、現金は盗まれたら戻って来ないんです。保険でも補償されません(涙)。
クレジットカードなら盗まれても止めることもできますし、不正利用に保険もかかっています。ほんと、これって、大きな違いです。
まとめ
ポイントをまとめておきます。
●ATMは両替レートが良く&手数料が安い
●日本で外貨両替する手間が省ける
●現金を持ち歩く必要がなく、安心
●犯罪者の多い両替所に行く必要がなくなる
デメリット/短所
●そもそもATMが無いと、できない
●海外キャッシング不可のカードがある
●節約には繰り上げ返済は必須。やり方を覚える必要がある
●海外のATMの使い方がわからないと引き出せない
●ATMによって、一回ごとや一日ごとに引き出し限度額がある
●一回引き出すごとに「ATM引き出し手数料」がかかる場合がある
●極悪レートのATMが、たまにある
●海外ATMはスキミング犯罪の恐れがある
結局、
というのが言いたいことです。どのカードがどれくらいお得なのか?に関しては、こちらに比較表を作っていますので、手持ちのカードがどれくらいお得なのか見てみてください。⇒海外キャッシング手数料比較表
当研究所で、最近のイチオシは、アコムACマスターカードです。セディナカードよりお得なことが多いです。アコムACマスターカードの海外キャッシングに関しては、↓こちらにポイントをまとめています。