円からマレーシア・リンギットの両替って、海外旅行するとき、どこで行うのが一番お得なのでしょうか?
ドルやユーロ以外の通貨は、現地で両替したほうがトク、というような話も聞きます。それは本当なのでしょうか?2017年10月に現地へ飛んで検証してきたので、ここで紹介します。
マレーシア・リンギット両替ができる場所
円からリンギットに両替するとき「どこで」両替するか、という問題があります。例えばマレーシアのクアラルンプールへの旅行なら大きく分けると、↓このような感じで6種類くらいの両替場所があります。
①日本の銀行や両替屋
②日本の空港の銀行や両替所
③クアラルンプールの空港の両替所
④クアラルンプールの空港のATM
⑤クアラルンプールの街にある両替所
⑥クアラルンプールの街の銀行ATM
今までのアジア各国の調査では、↑この順番がキレイに、下に行くほど両替レートがお得でした。では、マレーシア・リンギットならどうなのか?
[コツ]必ずその日の基準レートを確認してから外貨両替すべき
「両替所で騙されて損した」みたいな話はよく聞くと思います。ですが、最近、両替所だけではなく、ATMでも意味不明な高いレートで勝手にお金を出してくるATMがあります。(最近、徐々に増えている感じがします。悪質ATMについて詳しい記事はこちら)
でも、安心してください。
なので、ATMで下ろすにせよ、両替所で外貨両替するにせよ、必ずアプリなどで、その日の中間レート(=上乗せナシのレート)を確認してから外貨両替するようにしてください。
Currency+ (Currency Exchange Rates Converter)
今回の現地調査では基準レートを1リンギット=26.4908円で設定
現地調査の基準レートは、↑上記の1リンギット=26.4908円で設定。10月14日(土)の朝9時25分のレートです。
10月14日朝9時ごろ@成田空港
10月14日夕方6時ごろ@クアラルンプール国際空港
10月14日夜8時ごと@KLセントラル駅のショッピングモール
という3ヶ所、3つの時間で調査しました。
すみません、今回、朝しかレートを調べてなかったので、朝9時のレートを基準に計算することにします。
日本の銀行や両替屋のユーロ両替
大黒屋、GPAなど日本の両替所のユーロ両替の上乗せ率
まず両替屋さんのレートと上乗せ率です。(太字が上乗せ率)
●トラベレックス 31.38円 +15.95%
●外貨両替ドルユーロ 29.21円 +8.94%
外貨両替ドルユーロさんのレートが良いですが、ここは宅配で10万円未満の外貨両替は郵送料400円がかかるので、4万円を両替したとしてプラス1%してあります。
※今回のマレーシア旅行は、空港以外の両替所のレートを調べていなかったので、2018年8月14日13時 1リンギット=27.0624円を基準に上乗せ率を算出してみました。
日本の銀行のリンギット両替の上乗せ率
次に銀行のレートの上乗せ率です。当日2017年10月14日に成田空港で見れた銀行レートは2つ。
●りそな銀行 30.65円 +15.7%
↑すごい上乗せです(汗)。銀行って、いつもこんなに上乗せがひどいんでしょうか。別の日で、両替レートがお得と評判の関西国際空港のものも見てみましょう。(2018年4月22日 基準レート27.6372円で計算)
●SMBC信託銀行 +14.37%
●紀陽銀行 +15.82%
●みずほ銀行 +16.29%
●トラベレックス +18.07%
●池田泉州銀行 18.79%
●三菱UFJ銀行 取扱なし
なんと、2割近くも上乗せしている銀行もありました(涙)。池田泉州銀行はドルやユーロではレートが良くて有名なので意外です。通貨が変わると全然違うもんですね。
日本の空港の銀行や両替所の上乗せは約16%ということがわかりました。やはり、マレーシア・リンギットの場合は日本で両替しちゃだめですね。レートが悪すぎます。
ちなみに、銀行の両替レートは、基本的に空港でも街でも同じです。(空港のほうが少し良くしている銀行もあるようですが)
リンギット両替の手数料は何があるか?
ここで、すこし復習しておきましょう。外貨両替の手数料は、両替手段によって少し変わります。
銀行や両替所でかかる手数料
●銀行:レートに上乗せ(+両替手数料)
●両替所:レートに上乗せ+両替手数料
↑銀行でレートとは別に両替手数料を取るところは少ないです。また、両替所も両替手数料を取るところと取らないところがあります。日本の両替所は取らないところが多いですが、海外の両替所は、両替手数料を取るところもチラホラあります。
海外ATMで現地通貨を引き出したときの手数料
次に、海外ATMで現地通貨を引き出したときの手数料。これは少し複雑です。カードの種類によって手数料が変わります。
●キャッシュカード/デビットカード/プリペイドカード:
レートに上乗せ+カードのATM手数料+ATM設置者のATM手数料+海外事務手数料
●クレジットカード:
レートに上乗せ+カードのATM手数料(+ATM設置者のATM手数料)+利息
↑これ、クレカの手数料が少ない理由は、クレカでのキャッシングは「利息以外を取っちゃダメ」という決まりになっているからです。ATM設置者のATM手数料も、クレカの場合は取られないことが多いです。実際に、このマレーシアでの調査でもATM設置者手数料は取られませんでした。ほんと、このへんはカード会社に感謝ですね。
あと、「カードのATM手数料」は、かかるカードと、かからないカードが決まっています。もちろん、かからないカードを選ぶほうが得です。(参考⇒海外ATM手数料が無料のカード、有料のカード一覧)。
あともう一点、国際キャッシュカード比較表)。
です。クレカは繰上げ返済で利息をかなり少なくできますしね。キャッシュカード/デビットカード/プリペイドカードのほうが総手数料は多いです。(このへんの比較はこちらでしています⇒以上、復習でした。
では、↓ここから、マレーシア現地調査の結果です。
クアラルンプール国際空港(KLIA)の銀行でのリンギット両替もイマイチ
クアラルンプール国際空港(KLIA)内では、3つの両替できる銀行を発見。税関前に、CIMB銀行とMaybankの2つ、税関後にRHB銀行の1つです。
マレーシアに来るとレート表示は「日本円100円が●●リンギット」というように表示が逆になるのですが、「1リンギットいくら」の表示に直して書きます。
●Maybank 29.5円 +11.35%
●RHB銀行 29.5円 +11.35%
10%超えなので、日本の銀行ほどではないですが、やはり高いですね。マレーシアの空港で外貨両替するのも良くないですね。覚えておきましょう。
クアラルンプール国際空港(KLIA)のATMで海外キャッシング
さあ、次は、クアランプール国際空港(KLIA)のATMを使ってマレーシア・リンギットを手に入れたいと思います。
クアランプール国際空港は、たくさんATMを見つけることができたのですが、今回は、税関を抜けてすぐの、RHB銀行窓口の隣のATMを使うことにしました。↓ここです。
銀行窓口近くのATMは、トラブル時にすぐに見てもらえるのでオススメなんです。一応、ATMの選び方についても書いておきます。↓こんな感じ。
マレーシアは、空港のATMでも街のATMでも手数料などは変わらないので、空港ATMで引き出ししてしまっていいと思います。私はいつもそうしています。
空港なら、銀行窓口も遅くまで開いているので、トラブルのときも安心ですしね。
↓これが、そのRHB銀行ATMです。
ATMにJCBマークがなくても諦めちゃダメ
↑ATMにはJCBのマークなし。でも、諦めちゃダメです。まず突っ込んでみる(笑)。ほら、楽天カードJCBでも普通に引き出せましたよ。まあ、海外ではよくあることですね。
同じATMで、4枚のカードでキャッシング調査しました
今回のマレーシアでの調査は、4枚のクレジットカードで50リンギットずつ引き出しして行いました。(今回は、キャッシュカードやデビットカードは手数料が高いことがわかっているので、クレジットカードだけで引き出ししました。)
すべて利息込みのレートで、結果は↓こんな感じ。
●セディナmaster[繰]26.66円+0.64%
●楽天カードJCB 28.88円 +9.02%
●エポスカードVISA 29.02円 +9.55%
●三井住友VISA 29.28円 +10.53%
※[繰]は、繰り上げ返済したという意味。価格は利息込みの価格。
出ました!
です!セディナはスマホでペイジーを使って簡単に無料で繰上返済ができるので、利息5日分で繰上げ返済ずみ。↑この数字は繰り上げ返済時のレートです(利息分も含めたレート)。ちなみに、楽天カードとエポスカードは普通はもっとレートが悪くなります。今回は、ちょうどキャンペーン期間中で、割引レートが適用されていたからです。
エポスカードでもペイジーで無料で繰り上げ返済ができるのですが、その月の支払い額が確定する日まで待たないと繰上返済できません。そのぶん、金利がかかってしまうのでイマイチなんです。
そして、セディナ・エポス以外のカードは、繰り上げ返済をしようとすると、国際電話代&振込手数料が必要になるので、やっていません。「繰上返済しない利息を含めた額」で出してあります。
また、エポスカード、楽天カード、三井住友カードは、ここに、さらにそれぞれ108円の「カードのATM手数料」がかかるので、ご注意くださいね。
VISA、マスター、JCBで、どれが一番お得なレートなのか、という比較は、↓こういう結果に。
↑今回も、いつもの感じですね。VISAが悪くて、マスターとJCBが良い、と。
ということで、改めて結果です。
セディナカードでのクアラルンプール国際空港のRHB銀行ATMで、今のところ最安値の+0.64%。 です。
さあでも、今度は、クアラルンプール市内の安くて評判の両替所を見てみましょう。↓こちらです。
クアラルンプールの街には非常に良いレートの両替所がある
さあ、次に、クアラルンプールの街の両替所です。
事前に現地の人に教えてもらった情報で、「KLセントラル駅直結のnu sentral(ニューセントラル)ショッピングセンターの1階の両替所が安くてお得」というものがあったので、そこへ見に行ってみました。
調査した日は、同じ10月14日の午後8時ごろ。朝と夕方で時間差があるのですが、基準レートは同じ「1リンギット=26.4908円」で上乗せ率を見ていきます。さあ、どれだけ上乗せされているんでしょうか。
2ヶ所で調べてみました。
2つの両替所のレートと上乗せ率は、↓こうでした。
●GMT両替所 26.5252円 +0.13%
↑なんと上乗せほとんどナシの0.0%!!
2店ともに非常に良いレートというのが、すばらしいですね。
今回、夜の時点での中間レートを調べておらず(大後悔です…)、朝の中間レートを使って上乗せ率を算出しているので、普通ならありえない「上乗せ0%」という結果になっています。ごめんなさい。
でも、間違いなく言えるのは、クアラルンプールの街の両替所は非常に安いところが多い、ということ。
他の国でも、セディナカードより良い両替所って、ほとんどありませんから。
検証結果:リンギットは日本より現地で両替しろ説は正しい
よく聞くアドバイスである
日本で両替すると、15%〜19%の上乗せですから、絶対にやっちゃダメですね。
そうやって言うと「空港〜市内までに現金いるじゃん!」と言われると思うんですが、それはセディナカードを使って空港のATMでリンギット引き出しするようにしましょう。空港ATMは24時間使えますしね。
CIMB銀行ATMは悪質レートを提示してくるので注意
読者さんからの情報で「CIMB銀行ATMは悪質レートを提示してくる」という情報をいただきました。
最近、マレーシアだけではないのですが、DCC(ダイナミック・カレンシー・コンバージョン)と言って、悪いレートを提示してくるATMが増えています。CIMB銀行ATMも、その中の一つ。
特徴は、ATM操作中に「今なら日本円●●円で両替してあげますよ。承諾しますか?拒否しますか?」と2択で尋ねてくること。↑上の写真でも「JPY 2.953」って出てますよね。海外のATMで「JPY」が出てきたら警戒してください。
対応のコツとしては両替は必ず断ること。
上の画面で言えば、左の「DECLINE」(拒否)を選ぶわけです。そうすれば、いつものATMのレートで引き出せます。
詳しくは、↓こちらに記事にしています。ぜひ一回は読んでみてください。
クアラルンプール国際空港での外貨両替の注意点
ここからは節約方法のまとめです。まずは空港でのまとめから。
●空港の両替所の店舗はレート悪いので使っちゃダメ
●空港ATMは街のATMとレートは同じなので空港ATMも活用する
●CIMB銀行ATMは避ける。使うときは両替を断る
つまり、空港で両替するなら、ATMだけにしとけよ、って話です。
まとめ:おすすめお得なリンギット両替方法はコレ!
全20ヶ所の両替方法をランキングにしてみます。↓このような結果になりました。
リンギット両替レート比較ランキング@クアラルンプール
SPECTRUM両替所@ニューセントラル +0.0%
GMT両替所@ニューセントラル +0.13%
銀行ATMでセディナmasterで引き出し&ペイジー繰上げ返済+0.64%
4位以下のランキングは↓こうでした。
●外貨両替ドルユーロ(宅配) +8.94%
●銀行ATMで楽天カードJCBで引き出し +9.02%
●銀行ATMでエポスカードVISAで引き出し +9.55%
●銀行ATMで三井住友VISAで引き出し +10.53%
●Maybank窓口@KLIA +11.35%
●RHB銀行窓口@KLIA +11.35%
●CIMB銀行窓口@KLIA +12.01%
●関空直営両替所 +14.12%
●SMBC信託銀行 +14.37%
●GPA両替所 +14.81%
●京葉銀行 30.62円 +15.6%
●りそな銀行 30.65円 +15.7%
●紀陽銀行 +15.82%
●トラベレックス +15.95%
●みずほ銀行 +16.29%
●トラベレックス +18.07%
●池田泉州銀行 18.79%
なんと、1位と最下位と手数料の差は200倍近くにもなります(笑)。(1位を0.1%で計算した場合)
↓ポイントをまとめておきます。
●一番おすすめなのは、ニューセントラル1階などの街の格安両替所
●次に、セディナカードでの銀行ATMでクレカ引き出し&繰り上げ返済
●カードは繰上返済が簡単なセディナが一番お得
●CIMB銀行ATMは要注意。
●両替所や銀行でリンギット両替するなら、現地でしたほうがお得
●一番損するのは日本の銀行での両替(空港の銀行を含む)
●キャッシュカード/デビットカードも良くない
という感じでした。
いやぁ、連勝中だった、セディナカードでのATM引き出し(海外キャッシング)+繰り上げ返済が、マレーシアでは負けましたね。
ただ、この調査結果は、基準となる中間レートを朝のものしか準備していなかったので、夜に近づくにつれて、ズレが大きくなった結果、とも言えます。これは私のミスです。また次回、ちゃんとやりたいと思います。
この調査のあと、マレーシアの現地両替所のレートを調べ続けていますが、いつもここまで良いわけではないようです。実際は「0.2%〜1.0%くらいの間」で、セディナに負けることもある感じ。また、この点は、別記事にまとめる予定です。
あと、セディナカードのお得なATM引き出し方法は、↓こちらの記事で具体的に説明しています。
以上、リンギット両替比較@マレーシアでした!