円からユーロの両替って、フランスへ海外旅行するとき、どこで行うのが一番お得なのでしょうか?
ドルやユーロは、メジャーな通貨なので、他の通貨とは少し違うとも聞きますよね。「ドルやユーロは現地より日本で両替したほうが得」などの説も耳にします。
それらは本当なのでしょうか?2018年1月に現地へ飛んで検証してきたので、ここで紹介します。
ユーロ両替をどこですると良いのか?
円からユーロに両替するとき「どこで」両替するか、という問題があります。大きく分けると、↓このような感じで6種類くらいの両替場所があります。
①日本の銀行や両替屋
②日本の空港の銀行や両替屋
③フランスの空港の両替所
④フランスの空港のATM
⑤パリの街にある両替所
⑥パリの銀行のATM
今までのアジア各国の調査では、↑この順番がキレイに、下に行くほど両替レートがお得でした。では、ユーロ圏のフランスでは、どうなのか?見ていきたいと思います。
今回は基準レートを1ユーロ=135円で設定
まずは基準レートを決めます。今回は出発が2018年1月13日(日曜)の早朝でした。
当然その時間は閉じているんですが、ネットで三菱UFJ銀行のユーロのレートを見ると、
CASH BUY 130.13円で、CASH SELL 138.13円ですので、真ん中(仲値)をとると、134.13円。ただし、これは金曜日発表のレートなので、少し古いですね。
アプリで見てみましょう。
↑このアプリは、Yahoo.comのデータで、リアルタイム更新です。1ユーロ=135.39円ですね。
UFJとアプリの間を取って、今回は、
として計算していくことにします。
[コツ]必ずその日の基準レートを確認してから外貨両替すべき
「両替所で騙されて損した」みたいな話はよく聞くと思います。ですが、あとで詳しく書きますが、最近、両替所だけではなく、ATMでも意味不明な高いレートで勝手にお金を出してくるATMがあります。(最近、徐々に増えている感じがします)
でも、安心してください。
なので、ATMで下ろすにせよ、両替所で外貨両替するにせよ、必ずその日の基準レートを確認してから外貨両替するようにしてください。
日本の銀行や両替屋のユーロ両替
今回、フランス旅行は早朝出発。当日のレートが調べられませんでした。なので、日本の両替所と銀行に関しては、この記事を書いている1月29日のユーロレートの上乗せ率で比較してみます。
まず、今日(1月29日)の基準レートを出します。三菱UFJ銀行のユーロのレートは、CASH BUY 131.01円 で、CASH SELL 139.01円だったので、真ん中(仲値)を取ると、135.01円。アプリから取ったyahoo.comでも、135.02円だったので、旅行当日とほぼ同じですね。基準レートは「135.01円」で計算します。
大黒屋、GPAなど両替屋のユーロ両替の上乗せ率
まず両替屋さんのレートと上乗せ率です。(太字が上乗せ率)
●GPA両替所 138.74円 +2.76%
●大黒屋 139.08円 +3%
インターバンクさんは、レートだけなら「0.57%」と良いのですが、郵送の場合は振込手数料と送料500円がかかるので+1%しておきます。店舗へ行くとしても交通費がかかるので、やはり+1%が妥当かと。
銀行のユーロ両替(三菱UFJ、みずほ、三井住友など)の上乗せ率
次に銀行のレートの上乗せ率です。一応、成田空港、羽田空港、関西国際空港、中部国際空港(セントレア)に支店や出張所を出している銀行を調べてみました。上乗せ率が良い順に並べています。(太字が上乗せ率)
●池田泉州銀行 137.82円 +2.08%
●京葉銀行 138.82円 +2.82%
●千葉銀行 138.99円 +2.95%
●三菱UFJ銀行 139.01円 +2.96%
●三井住友銀行 139.08円 +3.01%
●みずほ銀行 141.02円 +4.45%
みずほ銀行のレート、ひどいです(苦笑)。↑これを見るとメガバンクでユーロの外貨両替しちゃダメだとわかりますね。あと、わかるのは、関空の銀行が健闘していること。紀陽銀行は特にがんばっているようで、電話したとき「他行の価格を見てレートを変えている」と言っていました。
日本の空港の銀行や両替屋でのユーロ両替
では、次は、実際の見てきた空港の銀行や両替屋のユーロレートです。
空港到着は朝6時半だったのですが、↑トラベレックスは開いてました。すごいですね。
あと、↑セントレア直営両替所は、チェックインカウンターのところは7時開店で閉まっていたのですが、安全検査後の中の店舗は開いていたので(7時半開店)、そこでレートをチェックしました。レートは↓こんな感じ。
●三菱UFJ銀行 138.13円 +2.3%
●セントレアTravelex 139.03円 +3%
↑三菱UFJ銀行は、ネットで公開している現金レート(CASH SELL)が店頭レートと同じなので、それを掲載しておきます。
ユーロ両替の手数料は何があるか?
ここで、すこし復習しておきましょう。外貨両替の手数料は、両替手段によって少し変わります。
銀行や両替所でかかる手数料
●銀行:レートに上乗せ(+両替手数料)
●両替所:レートに上乗せ+両替手数料
↑銀行でレートとは別に両替手数料を取るところは少ないです。また、両替所も両替手数料を取るところと取らないところがあります。日本の両替所は取らないところが多いですが、海外の両替所は取るところもチラホラあります。
海外ATMで現地通貨を引き出したときの手数料
次に、海外ATMで現地通貨を引き出したときの手数料。これは少し複雑です。カードの種類によって手数料が変わります。
●キャッシュカード/デビットカード/プリペイドカード:
レートに上乗せ+カードのATM手数料+ATM設置者のATM手数料+海外事務手数料
●クレジットカード:
レートに上乗せ+カードのATM手数料(+ATM設置者のATM手数料)+利息
↑これ、クレカの手数料が少ない理由は、クレカでのキャッシングは「利息以外を取っちゃダメ」という決まりになっているからです。ATM設置者のATM手数料も、クレカの場合は取られないことが多いです。実際に、このパリでもATM設置者手数料は取られませんでした。ほんと、このへんはカード会社に感謝ですね。
あと、「カードのATM手数料」は、かかるカードと、かからないカードが会社ごとに決まっています。もちろん、かからないカードを選ぶほうが得です。(参考記事⇒海外ATM手数料が無料のカード、有料のカード一覧)。
あともう一点、↑この枠の中の文字数からもわかるのですが、国際キャッシュカード比較表)。
です。クレカは繰上げ返済で利息をかなり少なくできますしね。キャッシュカード/デビットカード/プリペイドカードのほうが総手数料は多いです。(このへんの比較もこちらでしています⇒以上、復習でした。
では、↓ここから、また現地調査の結果です。
パリ シャルル・ド・ゴール空港の両替所でのユーロ両替は最悪
パリの空港(CDG空港)に到着。現地は17時半。日本時間では日が変わって1月14日の深夜1時です。アプリでユーロのレートを見ると、135.4円。
そんなに変わっていないので、基準レート「1ユーロ=135円」のままで上乗せ率を計算していきます!
パリの空港にあったトラベレックス。店員がいなかったので写真に取りやすかったです(笑)。
出ました。最高の13.2パーセントの上乗せ!なんと、日本の銀行の4〜5倍の手数料!パリの空港で両替するのは最悪ですね。覚えておきましょう。
パリの空港ATMでのユーロ海外キャッシングは要注意
さあ、次は、現地ATMでユーロを引き出してみます!
今回、事前にパリのシャルル・ド・ゴール空港のATMで海外キャッシングの調査をすることは決めていたので、到着するターミナル1のATMの場所を全てチェックしていきました。「どこのATMが混んでいないか」とか「どこのATMがお得か」くらいまで調べようと思っていたんです。
↓こんな感じで、公式サイトから構内図をDLして準備万端。
しかし!
この調査、意味ナシでした(涙)。というのも、パリの空港内のATMって、すべてトラベレックスのATMだったからです。
しかも、どのATMを見ても、誰も使っていません。なぜか。それはトラベレックスのATMはレートが悪いから!!(笑)
なぜレートが悪いとわかったか、というと、そうです。使ってみたからです。トラベレックスのATMでユーロ引き出しをすると「普通に使うと」↓こんなレートになります。
基準レート(仲値)は135円。上乗せ率を計算すると、↓こんな感じ。(太字が上乗せ率)
↑これもスゴイ数字です。日本の銀行の3〜4倍の上乗せ。こわいですね、ボッタクリATMって。トラベレックスのATMには注意してください。
ところが事件発生!!
ところが、事件発生です。
今回は用意周到な私。148.2円なんてヒドいレートを見せられて、引き出しするわけありません。
なので、
さっきの↑この画面が出ても、ポチッと、左下の「Continue without Conversion」を押しました。
すると、カードが返ってくるかな、と思ったら、↓この画面。
ATM画面には「取引が進められています」と出て、「ジー、ガチャン」と、札が出てきてしまったんです!!
はぁぁぁ?!そこまでやるか、トラベレックス!お前は鬼か?!!取引をキャンセルした客に、強制的にお金を出すとは!!(怒)
と、怒り心頭。
でも、空港のATMで係員もいないですし、係員がいたとしても、「は?ATM?それ私の仕事じゃないから」と言われることは目に見えてます。。。
ハイ、私….そうですよ。あきらめて、100ユーロを持っていきましたよ。半泣きになりながら。
ところが、どっこいトラベレックス。ATMは使えるじゃん♪
しかし、天は、私を見放してはいなかったのです!
4日後、このトラベレックスATMでの海外キャッシングがカード明細に反映されました。それを見てみると、↓こうなっていたんです。
なんと、1ユーロ=135.11円という好レート。
そうなんです。実は、トラベレックスのATMも上手に使えば、格安レートでユーロ引き出しができるんです。ほんと、偶然見つけた方法なのですが、ここにまとめておきます。↓この方法です。
トラベレックスATMで格安レートで海外キャッシングする方法
方法は実は簡単です。↓この動画のようにやればOK。
ポイントは、さっきから出てきている↓この画面。
↑この画面になったときに、左の「Continue
」を押す、というのがポイント。上の画面は、何の画面かというと、「トラベレックスが提供する両替レート(=極悪なレート)で、両替しちゃっていいですか?」を尋ねている画面だったのです。
なので、
トラベレックスは外貨両替せず(= Conversionで)、ユーロでカード会社に請求することを選択するボタン
●下の右のボタンは、
トラベレックスが外貨両替して(=with Conversionで)、円でカード会社に請求することを選択するボタン
というわけだったのです。
なので、左のボタン「Continue without Conversion」を押した場合は、両替レートは、VISAやマスターが提供する、非常に良いレートが選択されるのです。
※トラベレックスATMの詳しい使い方を知りたい方は、↓こちらの記事で確認してみてください。
で、調査結果に戻りますが、トラベレックスのATMでの海外キャッシングは、基準レート「1ユーロ=135円」から上乗せほぼナシの「1ユーロ=135.11円」。4日後に繰上げ返済をしたので利息も最少。上乗せ率も最少に収まりました。(セディナカードのネットから繰上返済の方法についてはこちら)
トラベレックスのATMでの海外キャッシング、↓こういう感じで、
パリの街の両替所のレートは良くなかった
次に、パリの街へ調査場所を移動して、街の両替所のレートを見てみましょう。
調べた時刻は、翌日1月14日の朝9時ごろ。まだ開店前だったので、前日(1/13)のレートが見れました。ともにオペラ座の近くの両替所です。
●パリの街の両替所② 139.6円 +3.4%
↑これを見ると、日本の銀行でユーロ両替するのよりも悪いレートですね。パリの街の両替所も、あまり良くない。
パリの街の銀行のATMキャッシングはおすすめ。安心の格安レート!
最後に、本命のパリの街にある銀行のATMです。空港到着と同じ日の13日の20時半ごろ、オペラ座すぐ隣のソシエテ・ジェネラル銀行のATMでキャッシングを行いました。
(建物の中にATMがあります)
※ソシエテ・ジェネラル銀行ATMの詳しい使い方については、↓こちらの記事で解説しています。
同じATMで、4枚のカードでキャッシング調査しました
今回の調査は、4枚のクレジットカードで20ユーロずつ引き出しして行いました。(今回は、キャッシュカードやデビットカードは手数料が高いことがわかっているので、クレジットカードだけで引き出ししました。)
すべて利息込みのレートで、↓こんな感じになりました。
●セディナmaster[繰]135.35円+0.26%
●エポスVISA[繰] 137.0円+1.48%
●エポスVISA 138.4円 +2.5%
●楽天カードJCB 138.1円 +2.3%
●リクルートmaster 137.45円 +1.8%
※[繰]は、繰り上げ返済したという意味です。
出ました!
です!セディナはスマホでペイジーを使って簡単に無料で繰上返済ができるので、繰上げ返済ずみ。↑この数字は、カード明細にデータが反映されてすぐ繰り上げ返済した、利息4日分を上乗せしたレートです。エポスカードは、毎月6日に、その月の支払い額が確定した後は、ペイジーで無料で繰り上げ返済ができます。今回、繰り上げ返済すると利息は23日間分、しない場合は利息は44日間でした。でも、やはり、エポスの繰り上げ返済は、セディナと比較すると、節約度がイマイチですね。(参考記事:私がエポスカードで海外キャッシングをしない理由)
セディナとエポス以外のカードは、繰り上げ返済をしようとすると、国際電話代&振込手数料が必要になるので「繰上返済しない利息を含めた額」で出してあります。また、エポスカードと楽天カードは、ここに、それぞれ108円の「カードのATM手数料」がかかるので、ご注意くださいね。
VISA、マスター、JCBで、どれが一番お得なレートなのか、という比較は、↓こういう結果に。
↑これは今までの調査でも、一番よくある順番ですね。
ということで、改めて結果です。
セディナカードでのパリの銀行ATMで、今回、最安値の135.35円。誤差の範囲内ですが、トラベレックスATMより良いレート。いずれにせよ、
でした。検証結果:ユーロは現地より日本で両替しろ説は古い
よく聞くアドバイスである「ユーロは現地より日本で両替しろ」説ですが、これ、もろくも崩れ去りました。
おそらく、この説って、日本の銀行や両替所のレートと、ユーロ圏現地の両替所のレートの2つだけを比較した場合のものだと思われます。たしかに、ユーロの両替所限定で見ると、現地より日本のレートのほうがお得ですもんね。
ただ、今は、便利なクレカとATMがある時代。
もう両替所だけの時代じゃないんですからね。我々はATMを使って、しっかり節約していきましょう。
フランスの空港での外貨両替の注意点
ここからは節約方法のまとめです。まずは空港でのまとめから。
●空港の両替所の店舗はレート悪いので使っちゃダメ
●空港のATMは全てトラベレックスATMなので利用方法に注意
●トラベレックスATMは使い方次第。格安レートで使う方法アリ
実はパリのあと、ローマでも同じ調査をしたのですが、ローマでも空港のATMはeuronetというレートが悪いATMでした。
ヨーロッパはATMをすべて信用しちゃダメですね。要注意ATMについては、↓こちらの記事にまとめています。
まとめ:おすすめお得なユーロ両替方法はコレ!
全21の方法をランキングにしてみます。↓このような結果になりました。
パリの銀行ATMでセディナmasterで引出し+繰上返済 +0.26%
パリ空港Travelex ATM②でセディナmasterで引出し+繰上返済 +0.27%
パリの銀行ATM(エポスカードVISA[繰]) +1.48%
4位以下のランキングは↓こうでした。
●日本のインターバンク両替所で両替 +1.57%
●パリの銀行ATM(リクルートカードmaster) +1.8%
●紀陽銀行 +1.93%
●池田泉州銀行 +2.08%
●パリの銀行ATM(楽天カードJCB) +2.3%
●セントレア直営両替所 +2.3%
●三菱UFJ銀行(現金レート) +2.3%
●パリの銀行ATM(エポスVISA) +2.5%
●パリの街の両替所① +2.7%
●GPA両替所 +2.76%
●京葉銀行 +2.82%
●千葉銀行 +2.95%
●セントレアTravelex +3%
●大黒屋 +3%
●三井住友銀行 +3.01%
●パリの街の両替所② +3.4%
●みずほ銀行 +4.45%
●パリCDG空港 TravelexのATM① +9.8%
●パリCDG空港travelex店舗 +13.2%
なんと、1位と最下位と手数料の差は50倍でした(笑)。
↓ポイントをまとめておきます。
●一番おすすめなのは、街の銀行ATMでクレカ引き出し
●カードは繰上返済が簡単なセディナが一番お得
●パリ空港のトラベレックスATMは使い方次第。格安で使う方法アリ
●両替所や銀行でユーロ両替するなら、日本でしたほうがお得
●日本で両替して行くなら、インターバンクがお得
●一番損するのは、パリ空港の両替所での両替
●キャッシュカード/デビットカードも良くない
という感じでした。
やはりフランスでも一番お得なのは、セディナカードでのATM引き出し(海外キャッシング)+繰り上げ返済でした。
この方法に興味ある方は↓こちらの記事を参考にしてください。
最近は、↓このカードがセディナよりもお得なことが多いです。
以上、ユーロ両替比較@フランスでした!
ユーロ両替の最新情報は、↓こちらの記事にまとめています。