タイのATMの実際の操作方法と、おすすめのATMの選び方、使う際の注意点を書いておきます。
タイのATMの種類。営業時間、金種、引出し最高額など
主なATMは6種類
タイのATMは銀行のATMがほとんど。主なものは、↓この6つの銀行で、それぞれ特徴的な色をしています。
●サイアム商業銀行ATM(紫)
●カシコン銀行ATM(黄緑)
●バンコク銀行(紺)
●クルンタイ銀行(水色)
●アユタヤ銀行(黄色)
●政府貯蓄銀行(ピンク)
日本語表示はどのATMもできているので、使いやすいです。
ただし、タイのATMではDCCの悪質レート(下で解説)が出るので、注意。特に国際ブランド(=カード表面の右下のマーク)がMastercardの場合は必ず出るので、回避方法を覚えておきましょう。
タイのATMの営業時間
ATMの営業時間は基本的に24時間で、どのATMも同じ。
タイのATMで引出せるお札の金種は?
タイのATMで引き出せるお札の金種は、100バーツ、500バーツ、1000バーツです。小さな店では、100バーツを使うことが多いので、100バーツが多くなるように引き出すことがおすすめ。
タイのATMの引出し最大額/最低額は?
タイATMの引出し最低額は、100バーツ。最大額は、ATMによって変わります。大きい順に書くと、↓こうなります。
●サイアム商業銀行ATM:最大 30,000バーツ
●カシコン銀行ATM :最大 30,000バーツ
●アユタヤ銀行ATM :最大 30,000バーツ
●バンコク銀行ATM :最大 25,000バーツ
●クルンタイ銀行ATM :最大 20,000バーツ
●政府貯蓄銀行ATM :最大 20,000バーツ
(2023年7月調査。ATMによって違う可能性あり)
ATMオーナー手数料220バーツは、どのATMも同じ←日本のクレカなら無料
ATMの持ち主である銀行が取る「ATMオーナー手数料」は、タイでは220バーツ。これはどのATMでも同じ金額です。最近のレートで計算すると、約900円。1回のATM引出しごとに900円かかるので、かなり高いと言えます。
ただ、このATMオーナー手数料は、日本のクレカでATM引出ししたときには取られません(レシートなどには出るのですが、実際にはカード会社の請求から除外されます)。なので、タイでキャッシングするなら、クレジットカードですべきです。
タイのおすすめATMと安全なATMの選び方
ATMはどこの場所のATMでも手数料とレートは同じ
日本のクレジットカードを使ったタイでのATM引き出しでは、同じカードを使うなら、どこの銀行のATMを使ってもレート&手数料は同じです。
日本のクレカだと、現地の銀行が請求する、220バーツのATM手数料(ATMオーナー手数料)は取られないからです。
立地のよい場所のATMと、田舎のATMでも、同じ。もちろん、空港のATMでも同じ手数料なので、安心して空港のATMを使ってください。空港のATMは安全ですしね。
タイのおすすめATM
再掲しますが、タイで5つの銀行ATMを試した結果が、↓こうでした。
結果、ATMは、どれを選んでもほとんど差がないという結論です。
どのATMでも日本語表示できましたし(ただし完璧ではないです。汗)、悪質レート表示(DCC。すぐ下で解説します)も、Mastercardの場合は全て表示されたので、ATMごとに差はナシ。手数料やレートも日本のクレカなら、どのATMでも同じ。
なので、どのATMを使っても同じです。
唯一、違いとなるのが、引出し最大額ですね。
●サイアム商業銀行ATM:最大 30,000バーツ
●カシコン銀行ATM :最大 30,000バーツ
●アユタヤ銀行ATM :最大 30,000バーツ
●バンコク銀行ATM :最大 25,000バーツ
●クルンタイ銀行ATM :最大 20,000バーツ
●政府貯蓄銀行ATM :最大 20,000バーツ
(2023年7月調査。ATMによって違う可能性あり)
最高額の3万バーツを引出せるATMは、サイアム、カシコン、アユタヤ銀行だけ。
カシコン銀行ATMだと、どのカードでもDCCの悪質レートが出ますが、それも簡単に回避できるので、カシコン銀行ATMを避ける必要もないでしょう。特にスワンナプーム空港の到着ロビーは、カシコン銀行ATMしかないので、使わざるを得なくなる人も多いでしょう。
DCCの表示のわかりやすさで選ぶとすれば、
と言えます。(下に画像を貼っておきます)なので、敢えて選ぶとすると、
ですね。タイではDCCの悪質レート提示のATMが多いので注意
タイでは、「DCC」(Dinamic currency conversion)という、非常に悪いレートを提示するATMが多いので注意が必要です。これは「両替をVISA/Master/JCBなどに任せず、このATMが決めた両替レートで両替してあげるよ」というサービス。ま、悪いレートです(苦笑)。
アジア中で、悪質レート提示ATMが増えていますが、タイでは特に多いです。多いというか、国際ブランドがMastercardだと必ずDCCが出ます(汗)。
DCCを選ぶと痛いのは、タイだと、ATMオーナー手数料の220バーツも一緒に請求されること。クレカだと取られないはずの220バーツが、DCCを選ぶと請求されてしまうのです。
ただ、そういう悪質レート提示ATMでも、回避方法があるので、ご安心を。
回避方法は、「without」や「変換せずに」を選ぶこと。
カシコン銀行なら↓こちらを選ぶ。
クルンタイ銀行なら↓こちらを選ぶ。
バンコク銀行なら↓こちらを選ぶ。
サイアム商業銀行なら↓こちらを選ぶ。
↑こうして見ると、やはり、日本語で書いてある、バンコク銀行とサイアム商業銀行がわかりやすいですね。
カシコン銀行とクルンタイ銀行は、ずっと日本語表示があったのに、このDCCの画面になると突然英語だけになるので意地悪。
ただ、バンコク銀行ATMも、サイアム商業銀行ATMも、スワンナプーム空港には無いんですよね(涙)。スワンナプーム空港なら、あきらめてカシコン銀行ATMで引出しをしてください。
悪質レート提示ATM対策については、↓こちらの記事に詳しく書いています。
安全なATMは空港と銀行にあるATM
犯罪やトラブル時に安心なのは、窓口が近くにあるATM。↑この写真のようなATMです。すぐに係員に相談できるから安心。また、近くにガードマンがいたり、人通りの多い場所のATMは、ATMにスキミング機械などを設置しづらいので、犯罪に遭いづらく、安全なATMと言えます。
↑この写真は、スワンナプーム空港の到着ロビーのATMなのですが、窓口が横にありますし、また、この到着ロビーは飛行機で来た人しか入れないので安心。理想的なATMです。でも、このカシコン銀行ATMは、DCCの極悪レートがMastercardでも出る悪いATM。悩ましいところですね(苦笑)。
安全なATMについては、↓これらの記事で解説しています。
タイATM利用のコツ
海外ATM手数料を取るカードは損(エポス/楽天/セゾンなど)
上でも書きましたが、海外ATM引出し(=海外キャッシング)でかかる手数料は、↓こうでした。
①両替手数料:Visa/Master/JCB/AMEXの両替レートの中に含まれている。通貨ごとに率が違う。
②海外ATM手数料:カード発行会社が取る(→取る会社/取らない会社一覧)。引出1万円超なら220円/回、1万円未満なら110円/回
③ATMオーナー手数料:銀行などATMの持ち主が取る(クレカは無料)。例 タイ220バーツ(約900円)
④利息、海外事務手数料:クレカは利息(1日約0.05%ずつ=繰上返済で減らせる)。デビット/プリカは海外事務手数料(3%など一定額=減らせない)
⑤繰上返済の手数料:国際電話代と振込手数料。ペイジー払い可能なアコム、セディナ、エポスなら無料。
↑この中の②について。
この②の海外ATM手数料を取るカードでのATM引出しは損です。上の調査の中では、エポスカードですね。
取られるATM手数料は、引き出し額により変わり、
●1万円以下なら110円(税込)
●1万円超なら220円(税込)
です。
残念ながらATM手数料を取る会社と、取らない会社でサービスは同じ。それなのに、毎回、110円や220円を取られるのは痛いです。特に、海外では大金を持ち歩くのは危険なので、ATMから少しずつ引き出したいんですが、そうすると手数料がかさみます。
タイでは、100バーツ単位でATM引き出し可能なのですが、例えば、1000円程度の引き出しに110円の手数料がかかったら(=上乗せ10%)、ちょっと嫌ですよね。
ATM手数料を取る取らないは、カード会社によって決まっています。ATM手数料を取らないカードを選ぶことがまず第一のポイントです。参考記事⇒海外ATM手数料が無料のカード、有料のカード一覧
セディナは2024年4月に三井住友カードに吸収されました。そして、システムが統合される2024年12月からは、セディナは「②カード会社の取る海外ATM手数料」と「⑤繰上返済(電話代&振込手数料)」の2つが有料になる可能性が高いです。。。セディナのみでやってきた方は、早めにアコムに切り替える準備をしたほうが良さそうです。
③ATM設置者手数料(ATMオーナー手数料)。日本のクレカは請求されない
ATMの持ち主である現地銀行などが取る、ATM設置者手数料(ATMオーナー手数料)ですが、日本のクレジットカードの場合は取られません。クレカでのキャッシングは「借金」扱いで、「借金では決められた利息以外は取ってはダメ」というルールがあるからです。実際に、2023年7月の11回のATM引出し(6つの銀行ATM、5枚のカード)でも、一度も取られませんでした。
タイのATMでは、すべてのATMで「220バーツのATMオーナー手数料が請求される」と表示されます。↑上の写真のように、ATM画面にも、ATMのレシートにも、表示されます。
220バーツは、日本円なら約900円。かなり大きいですよね。
この220バーツの手数料は、ATM画面やレシートに表示されるので、「タイのATMでは手数料が取られる」と勘違いしている人が多いです。
ですが、実際のカードの請求額と、その時の中間レートを比較すれば、クレカだと手数料が取られていないことを確認することができます。
一方、クレカ以外の場合は、220バーツは取られます。デビットカードや国際キャッシュカード、国際プリペイドカードの場合ですね。
もうこの時点で、タイでは、クレカ以外でATM引出しをしないほうが良いことがわかります。
ATMからカードが出たらすぐに抜き取る
海外のATMで多いトラブルが、「カードがATMに吸い込まれること」。海外のATMは、カードがATMから出てきたとき、すぐに抜き取らないと、盗難防止のためカードがATMに吸い込まれることがあります。
なので、「カードがATMから出てきたら、すぐに抜き取る」。これは覚えておいてください。
タイATMの手数料に関してはこちらの記事で
タイのATMを使った現金引き出し(海外キャッシング)にかかる手数料に関しては、↓こちらの記事に詳しくまとめています。
2023年7月のタイ・バーツ外貨両替 現地調査の中の、タイATMでの海外キャッシングの詳細解説が、この記事です。 2023年7月のタイ現地調査の結果、お得な両替方法の全体像は、↓こんな感じでした。 [insert page='タイバ[…]
タイ・バーツのお得な外貨両替方法は、こちらの記事で
タイ・バーツのお得な外貨両替方法については、↓こちらの記事で詳しくまとめています。
タイ・バーツの外貨両替方法比較のまとめ記事です。2023年7月にタイ現地(バンコク&チェンマイ)で調査。空港、両替所、外貨宅配、ホテル、カード払い、現地ATMなど、40の両替手段を比較。 特に、現地ATM調査は、5枚のカードで同じ金額[…]