台湾ドルATM現金引出し(キャッシング)の手数料と節約方法 2023年10月調査

2023年10月の台湾ドル外貨両替 現地調査の中の、台湾ATMでの海外キャッシングの詳細解説が、この記事です。

この記事のダイジェスト動画は↓こちら。

2023年10月の台北現地調査の結果、お得な両替方法の全体像は、↓こんな感じでした。

↑このように、お得なクレカ(アコム、セディナ、エポス)での海外ATM引出し(=海外キャッシング)が一番お得と判明。

この記事では、具体的に、台湾での海外キャッシングで、手数料を少なくできた理由やどういう手数料がかかったのか？などを詳しく見ていきたいと思います。

2023年10月の台湾(台北)での現地ATM調査では、6種類の銀行ATMで、お得な4枚のカードを使い、合計16回のATM引出しデータを収集。すると、わかったことは、ATMでの海外キャッシングがどのカードでもお得なわけではないということ。その他にもいろいろわかったことがあったので、紹介していきます。

では、まず、↓結論からいきましょう。

台湾ATM引き出し(=海外キャッシング)の結論

今回の現地調査の結果は、↓こうでした。今回は良いカード4枚のみで徹底調査。一般的なカードは繰上返済しても2%以上は手数料がかかるので、それらと頭の中で比較しながら見てみてください。

↑この結果は、2015〜2019年の台湾での調査結果と、ほぼ変わっていませんね。アコムの強さは2017年から変わらずです。

↓では、次に、なぜこういう結論になったのか？なぜこういう結果になったのか？を分析してきます。

なぜアコム/セディナ/エポスだけこんなに良いのか？

台湾ATM現金引出し(キャッシング)の手数料

なぜアコム/セディナ/エポスだけこんなに良いのか？それは手数料が安く済むからです。

現地ATM引き出し(=海外キャッシング)の時の手数料は、5つ。

海外ATM引出しの手数料
①両替手数料：Visa/Master/JCB/AMEXの両替レートの中に含まれている。通貨ごとに率が違う。
②海外ATM手数料：カード発行会社が取る(→取る会社/取らない会社一覧)。引出1万円超なら220円/回、1万円未満なら110円/回
③ATMオーナー手数料：銀行などATMの持ち主が取る(クレカは無料)。例 タイ220バーツ(約900円)
④利息、海外事務手数料：クレカは利息(1日約0.05%ずつ=繰上返済で減らせる)。デビット/プリカは海外事務手数料(3%など一定額=減らせない)
⑤繰上返済の手数料：国際電話代と振込手数料。ペイジー払い可能なアコム、セディナ、エポスなら無料。

↑この①〜⑤の手数料は、↓こんな感じでカードによって取る取らないの違いがあります。

カードごとに取られる手数料は違う

↑これを見るとわかりますが、どのカードでも海外ATM引出しがお得なわけではないのです。デビットカードやプリペイドカード、一般的なクレカなどでは結構な手数料が取られます。アコムとセディナの2つが極めてお得であり、3番目にエポスという感じです。(参考記事：アコム解説ページ、セディナ解説ページ)

最新情報：セディナは、三井住友カードに吸収されました。システムも統合される2024年12月からはセディナでも②と⑤が有料になる可能性が高いです。ご注意ください。

では、①〜⑤の手数料を、もう少し詳しく見ていきます。

①両替手数料：アコムのレートは他のMastercardと同じに

以前は、アコムの両替レートは他のマスターカードよりも良かったのですが、現在は他のマスターカードと同じになってしまいました。

でも、Mastercardが↓下記の理由で有利なので、Mastercardの中の最強カードであるアコムACマスターカードは最近の台湾でもやはりお得です。

両替手数料(=為替レートの上乗せ)でマスターがVISA/JCBより得な理由

「VISA/マスター/JCB、結局どれがいいの？」という質問をよくもらいますが、単純な比較では3者の差はあまり見えてきません。

でも「マスターが一番お得に使える」ことは断言できます。

理由は「マスターは前日の公式レートが適用される」というクセがあり、得な日/損な日がわかりやすいから。例えば、8月10日に海外ATM引出ししたとすると、適用されるレートは8月9日のマスターの公式レートです。このクセを踏まえると、得する使い方は↓こうです。

Mastercardの得する使い方
ニュースを見て、今日と昨日のレートを比較する。そして、
●今日のレートのほうが悪い日はマスターカード引出が得。
反対に、
●今日のレートのほうが良い日はマスターカード引出は損。その日は海外ATM引出しを延期するか、VISAで引出しすべき。

こういう得な日、損な日の見分けができるのはマスターカードだけ。だからマスターカードが得なのです。で、マスターカードの中でもレートが最速でわかるアコムACマスターカードは一番便利と言えます。

③ATMオーナー手数料100台湾ドルはクレカなら無料

台湾では、③のATMオーナー手数料の100台湾ドル(約460円)は、台新銀行ATMと中国信託銀行ATM(コンビニによくあるATM)で請求されることが確認されています。

ただし、これは日本のクレカの海外キャッシングなら取られません。デビットカードやプリペイドカードだと取られます。

この違いの理由は、こうです。クレカでの海外ATM引出しは「借金」の扱いです。「借金」と聞くと嫌がる人もいるかもしれません。でも海外ATM引出しは、借金であるからこそ、2つのメリットがあります。

前者の「③のATMオーナー手数料が取られない」ですが、これは日本の法律によるものです。「借金では、所定のATM手数料(つまり②)と利息以外は取ってはならない」というルールがあるので、③のATMオーナー手数料が取られないんですね。

1回ごとに、100台湾ドル(約460円)が無料になるので、ありがたい話です。

④クレカの利息は繰上返済で減らせる。デビットの海外事務手数料は減らせない

クレカでのATM引出しは「借金」なので、利息がかかります。利息は1日1日増えていく方式です。一般的なカードは「年利18%」なので、「年利18% ÷ 365日 ≒ 0.05%」で、毎日、引出した額の0.05%が増えていきます。

5万円分の外貨を引出したなら、利息は毎日25円ずつ増えます。なので早めに繰り上げ返済(早期返済)したほうがお得です。だから、繰上返済をするのです。

一方、デビットカードやプリペイドカードは利息ではなく、一律の海外事務手数料として取られます。その相場は3%〜5%。デビットカードを使い、5万円分の外貨を引出ししたなら、5万円×3%=1500円。5%なら2500円が必ずかかり、これを減らす方法はありません。海外ATM利用では、クレカはデビットカードよりお得ということがわかります。(さらに、デビットだと③のATMオーナー手数料もかかります)

1番のアコムと2番のセディナ。差はこの部分

外貨両替に強いアコムとセディナ。ですが、セディナは3つの点でアコムに劣ります。

私の経験でですが、タイで、メンテナンス日が影響したことがありました。返済したい日がメンテナンス日の「8日」に重なり、即返済できず利息が増加してしまいました。

繰上返済ナシの場合は、利息が他のカードより少なくなるジャックスカードが良い【手数料1.5%】

今回、調査には使っていませんが、ジャックスカードには、海外キャッシングでお得な特徴があります。普通のカードは海外ATMで引き出した場合、翌日から利息がかかります。一方、ジャックスカードは、海外ATM引き出しの場合、翌月の1日からしか利息がかかりません。繰り上げ返済しない場合は、ジャックスがお得ということは覚えておきましょう。

台湾で海外キャッシングと現金両替、どっちが得か？比較

よく質問される「台湾では、海外キャッシングと現金両替、どっちが得ですか？」という問題を、ここで回答しておきます。

結論：おすすめはキャッシング。大金なら現金両替

結論としては、通常は現金両替よりキャッシングがおすすめ。大金の場合は現金両替を使う、というように使い分けるのが良いでしょう。

2023年10月 海外キャッシングと現金両替 比較＠台湾

台湾現地で、キャッシングと現金両替はどっちが得か、試してみた結果が↓これです。(その他の両替方法も含めた51手段の比較はこちら)

↑悪徳DCCレートを選んでしまった場合や、エポスの使い方を間違えた場合を除けば、海外キャッシングのほうがお得なことは一目瞭然です。

海外キャッシングは、どこのATMで引出しをしても同じ手数料なので、その意味でも便利ですね。ただ、カードごとにお得さに違いがあります。お得なのは、アコム/セディナ/エポスです。

なぜ、おすすめは海外キャッシングなのか？大金なら現金両替

海外キャッシングは、お得で、大金を持ち歩く必要がないというメリットがあります。一方、現金両替のメリットは、大きい金額でも両替できること。その両方のメリットを使うのが一番お得です。

もちろん、大前提として、↓これらの条件を満たすこと。

台湾では、ATMが多くあり、Googleマップで「ATM」と検索すれば、すぐに探せます。空港にもATMは多数あります。

銀行は、台湾の銀行なら、ネットで複数の銀行のレートを一覧で見れるので、探しやすいです。台湾の銀行の両替レートをネットで見る方法は、こちら

落とし穴！デビットカードでのキャッシング

上でも書きましたが、デビットカードやプリペイドカードでのキャッシングは、台湾のATMオーナー手数料を取る銀行（中国信託銀行、新台銀行）では損になるので、しないようにしましょう。1回のATM引出しにつき100台湾ドル(約460円)のATMオーナー手数料が取られるからです。

これは、ソニーバンクウォレットやRevolutでのATM引出しでも100台湾ドル取られてしまうので、注意してくださいね。

クレカなら取られません。台湾のキャッシングはクレカですることが安心です。

特に、中国信託銀行ATMは、コンビニ内によくあるので目にすることも多いと思います。使うときはくれぐれも注意してください。

台湾でキャッシングとカード払いどっちが得か？比較

では、台湾でキャッシングとカード払いは、どっちがお得でしょうか？

結論：キャッシングのほうがカード払いよりお得

結論から言うと、カード払いよりキャッシングのほうがトクです。

カード払いが負ける理由は、海外でのカード払いでは、「海外ショッピング手数料」がかかるから。これは、日本でのカード払いでは取られない手数料で、外貨建ての支払いの場合でだけ、かかるものです。

カード払いの敗因：1.6%〜5%の海外ショッピング手数料

カード払いは、外貨建ての支払いの場合、「海外ショッピング手数料」がかかります。その額は、↓こんな感じ。

↑クレカの場合は、ポイント還元があるので、0.5〜1%ほど少なく計算してもOK。

台湾のカード払いについては、↓下記記事にまとめました。

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2023年10月の台湾での現地調査でも、↓このように差が出ました。

海外キャッシングとカード払い比較＠台湾(2023年10月)

↑カード払いは、日本のカードがそのまま使えて手軽なのですが、実は隠れた手数料が取られていることは、覚えておきましょう。便利なんですけどね。

台湾でソニー銀行デビットカード支払いは約2%の手数料

指定10通貨のカード払いなら海外ショッピング手数料が不要な、ソニー銀行のデビットカード「ソニーバンクウォレット」。でも、残念ながら台湾ドルは対象外。

今回、現地で使った結果は【手数料1.9%】でした。やはり、あまり得ではなかったですね。

台湾でRevolutカード払いは手数料0.59%。でも使い方に注意

台湾ドルのカード払いで一番お得なのは、Revolutです。両替手数料のみで、0.59%。(参考：海外手数料無料カード比較)

ただし、Revolutは突然の口座凍結トラブルや、役立たないサポートなどの問題があるので、私は積極的にはおすすめしていません。使い方には注意してください。そのへんのRevolutの口コミや対策はこちらの記事にまとめています。

なので、やはり、現時点でのおすすめは、海外キャッシング(現地ATM引出し)なんですよね。

台湾のATMの使い方と選び方、悪質DCCレートについてはこちらの記事で

台湾のATMの使い方のコツ、安全なATM選びのコツ、悪質DCCレートに関しては、↓こちらの記事にまとめています。

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まとめ

もう一度、台湾ATM引き出し(=海外キャッシング)の結論を書いておきます。

そして、そのポイントを踏まえた上での、おすすめ3カード利用のポイントと注意点を書いておきます。

1番お得なアコムACマスターカードがお得な理由は、ATM引き出し直後にスマホから【無料で】繰り上げ返済できるので【利息ゼロ】で外貨両替が可能だから。日本時間のその日のうちに返済すれば利息ゼロです) アコムの解説記事はこちら

2番目にお得なセディナは、約3日後にスマホから【無料で】繰り上げ返済が可能。なので【利息ほぼゼロ】で両替が可能。ただし、2023年10月も会員サイト「セディナビ」が台湾では見れませんでした(VPNを使えば見れました)。また、2024年12月には三井住友カードとシステムが統合されるので、このお得な返済ができなくなる恐れがあります。セディナの解説記事はこちら

3番目にお得なエポスは、約2日後にスマホから【無料で】繰り上げ返済が可能で【利息ほぼゼロ】で両替が可能。ですが、1回のATM引出しごとに一定のATM手数料が取られるため、1回のATM引出しで大きな額を引き出さないと損になるのが短所。エポスの解説記事はこちら

記事は、以上です。

海外キャッシングは使いこなすと本当にお得なので、ぜひぜひマスターしてくださいね。

こちらもどうぞ。2023年10月の台湾調査のまとめ記事４セット

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