台湾ATM 現金のおろし方(海外キャッシング)とATM選び方のコツ

台湾のATMの実際の操作方法と、おすすめのATMの選び方、使う際の注意点を書いておきます。

台湾のどのATMが使いやすいのか

台湾のATM 使いやすさ比較表

今まで私が引出ししたATMをまとめてみました。

台湾ATM比較表

↑ここに書いていないですが、1回の最大引出し額は、どの銀行も20,000TWDで共通です。

注意したいのは、台湾のATMは、意外と日本語表示がないATMが多いこと。なので、英語で理解できることは必須です。下に紹介するATM動画などを見て、事前学習しておきましょう。

↑上の表を見ると、DCC悪質レートが出るATMや、ATMオーナー手数料の表示が出るATMが気になりますが、両方ともに回避方法があるので、どの銀行ATMでも基本的に引出しに使えると思って大丈夫です。

ただし、↓この2つのATMは、避けたほうがいいかもしれません。

避けたほうがいいATM2つ

郵便局のATM:100TWD札をくれない

台湾郵便局(中華郵政)のATM
いくつかの場所の郵便局ATMを試しましたが、1000TWD札しか扱わず、100TWD札を出さないのがデフォルトっぽいです。100TWD札のほうが使う機会は圧倒的に多いので、100TWD札が欲しい私は、今後、郵便局のATMを使うことはなさそうです。

台新銀行ATM:日本語表示なし、英語表示もなし

台新銀行ATM
台新銀行ATMは、なんと日本語表示がないだけではなく、英語表示も無し(涙)。そして、DCC表示も出ますし、ATMオーナー手数料の請求もあり。なので、できれば避けましょう。もちろん、中国語がわかって、DCCも回避し、クレカでキャッシングすれば、問題ないんですけどね。台湾ATMに慣れないうちは、避けたほうがいいですね。

よく目にするATMは5銀行

桃園空港から台湾に入る場合は、↓この5銀行が見つけやすいですね。

臺灣銀行(台湾銀行)

臺灣銀行(台湾銀行)ATM
臺灣銀行(台湾銀行)は、桃園空港にATM多数。日本語表示があるので、一番使いやすい。

兆豊国際商業銀行(Mega Bank)

兆豊国際商業銀行(Mega Bank)
兆豊国際商業銀行(Mega Bank)も、桃園空港にATM多数。最新ATMなら日本語表示あり。

聯邦銀行

聯邦銀行
聯邦銀行は、空港MRTの券売機に並んでATMがあるので、見つけやすい。

国泰世華銀行

国泰世華銀行
国泰世華銀行MRT駅の券売機の近くや、階段など、目に付くところにATM多数あり。黄色と緑が目印。ATMではDCC悪質レートが出るので、下の解説で回避方法を知っておくこと。

中国信託銀行

中国信託銀行
中国信託銀行は、コンビニ内にATMがよくある。ATMオーナー手数料を請求してくるので、取られないクレカでの引出しがおすすめ。

↑これら5行が、旅行者に見つけやすいATMと言えます。ただし、見つけやすいものの、おすすめなのかと言えば、全てがおすすめなわけではありません。どういうATMがいいのか。もう少しくわしく見ていきます。

台湾のATMの種類。営業時間、金種、引出し最高額など

どの銀行ATMでも手数料とレートは同じ(クレカの場合)

どのATMでもレート/手数料は同じ(日本のクレジットカードの場合)

日本のクレジットカードを使った台湾でのATM引き出しでは、同じカードを使うなら、基本的には、どこの銀行のATMを使っても、レート&手数料は同じです。

レートは、国際ブランドによって決められ、VISAならVISAレート、MasterならMasterレート、JCBならJCBレートが採用されます。なのでATMによるレートの違いはありません。

ATMオーナー手数料はクレカなら取られないので、関係なし。

台湾のATMの営業時間

ATMの営業時間は基本的に24時間で、どのATMも同じです。深夜発着の弾丸台湾旅行でも安心。

台湾のATMで引出せるお札の金種は?

台湾のATMで引き出せるお札の金種は、ほとんどが1000TWDと100TWDの2種類です。小さな店では、100TWDを使う機会が多いので、100TWDが多くなるように引き出すことがおすすめ。

台湾のATMの引出し最大額/最低額は?

台湾ATMの引出し最低額は100TWD。引出し最大額は2万TWDです。これは、ほぼ全銀行共通。ただし、郵便局ATMだけ、1000TWDしか扱ってないっぽいです(私が見た限りのATMの話なので、実際はあるのかもしれません)。

また、100TWD札が切れているATMは結構多いです。でも、これは事前にはわからないので、運まかせですね。

ATMオーナー手数料100TWDの請求は、今のところ2銀行のみ

中国信託銀行のATM手数料の表示画面
中国信託銀行は100TWDのATM手数料を取る

ATMの持ち主である銀行が取る「ATMオーナー手数料」は、台湾では100台湾ドル。最近のレートでは約450円ですから、結構高いですよね。

今のところは、ATMオーナー手数料100台湾ドルは、中国信託銀行ATMと台新銀行ATMだけで請求されます。

ただ、このATMオーナー手数料は、日本のクレカでATM引出ししたときには取られません。これはクレカの海外キャッシングは「借金」の扱いで、「借金は利息と決められた手数料以外は請求してはだめ」というルールがあるからです。(レシートなどには出るのですが、実際にはカード会社の請求から除外されます)。なので、台湾でキャッシングするなら、クレジットカードでするのが得ですね。

ということで、このように、ATMのスペック的な部分って、台湾では、あまり差がないんですよね。

で、それらの事実を踏まえた結論。私がおすすめする台湾のATMは、↓こういうATMです。

結論:台湾のおすすめATMは安全なATM、助けが呼べるATM

お得さではATMにはあまり差がない

安全なATMは空港と銀行にあるATM

桃園空港の窓口横のATMは安全安心

犯罪やトラブル時に安心なのは、窓口が近くにあるATM。↑この写真のようなATMです。すぐに係員に相談できるから安心。また、近くにガードマンがいたり、人通りの多い場所のATMは、ATMにスキミング機械などを設置しづらいので、犯罪に遭いづらく、安全なATMと言えます。

↑この写真は、桃園空港のターミナル1の到着ロビーのATMなのですが、窓口が横にありますし、また、人目も多いので犯罪もしにくく安心。理想的なATMです。

空港ではなく街でも、↓こういう支店窓口の隣のATMが安心です。何かトラブルがあれば、ジェスチャーで問題を伝えることも可能。
台湾郵便局(中華郵政)のATM

↓こういう銀行支店入口にあるATMもおすすめ。自動ドアの中に防犯カメラ&警備員がいて、犯罪を行いにくく、安全度が高いからです。(写真は国泰世華銀行の支店入口。閉店後の時間だったので、警備員はいませんが)
国泰世華銀行支店入口のATM

一方、↓こういうスーパーやコンビニ内にポツンとあるATMは、あまりよくありません。スーパーやコンビニの店員はATMの不具合には対応してくれないですし(日本でも同じですよね)、緊急電話が付いていても、中国語で説明が必要だからです。(写真は、2台とも台北カルフール内にあったATM)
玉山銀行と新光銀行のATM@カルフール

安全なATMについては、↓これらの記事で詳しく解説しています。

でも、いつも安全安心なATMばかり使えるとは限らないですよね。そうではないATMを使わないといけなくなったときの対策も考えてみましょう。

もしDCC悪質レートを表示するATMを使わないと行けない場合、対策は↓こうです。

台湾ATMでもDCCの悪質レート提示のATMが増加中

台新銀行ATMの悪質DCCレート表示画面
「JPY=」などの要注意ワードが出てきたらDCC悪質レートに注意

台湾のATMでも、「DCC」(Dinamic currency conversion)という、非常に悪いレートを提示するATMが少しずつ増えてきましたので、注意が必要です。(参考記事:DCC悪質レート詐欺の海外ATM増加中) DCCとは「両替をVISA/Master/JCBなどに任せず、このATMが決めた両替レートで両替してあげるよ」というサービス。良いレートなら親切なのですが、まあ、悪いレートです(苦笑)。

全世界で、このDCC悪質レート提示ATMが増えていますが、台湾でもだんだん増加中。

台湾でDCC悪質レートが確認された銀行ATM(2023年10月現在)
●国泰世華銀行ATM
●台新銀行

しかも、DCCを選ぶと痛いのは、4%や5%の悪いレートだけではなく、DCCになることでATMオーナー手数料の100TWDも一緒に請求されること。クレカだと取られないはずの100TWDが、DCCを選ぶと請求されてしまうのです。

国泰世華銀行ATMはATMオーナー手数料が無料なのでいいのですが、台新銀行ATMはATMオーナー手数料が100TWDです。

実際に、2023年10月の調査で、台新銀行ATMで、その画面が出現しました。(上の写真)
100TWDを引出したときに、その日は1TWD=4.6円だったので、普通なら470円くらいの請求のところが、なんと973円の請求。手数料率100%超え。このまま支払っていては悲劇です。。。

ただ、そういうDCC悪質レート提示ATMでも回避方法があるのでご安心を。 ↓こうするのです。

DCC悪質レートの回避方法@台湾

DCCの回避方法は、DCCの選択画面で「without」や「変換せずに」を選ぶこと。つまり、「あなたのATMでの両替(Conversion)は不要です」と意思表示するわけですね。

↓実際の画面で見てみましょう。

台新銀行ATMのDCC画面

台新銀行ATMの悪質DCCレート表示画面
↑台新銀行ATMはわかりやすいですね。「without」のほうを選べば、DCCレートではないレートで、ちゃんとお金を引き出すことができます。

↓国泰世華銀行ATMは少しやっかいです。

国泰世華銀行ATMのDCC画面(VISA)

国泰世華銀行ATMのDCC画面
↑3つボタンが表示され、左から、こうなっています。
①Cancel (左)
②Defer Conversion (中央)
③Immediate Conversion (右)

これ、絶対にわざとわかりづらい単語を使ってますよね(汗)。

答えは、
良いレートで両替したいなら、真ん中の②を選んでください。

②Defer Conversion (中央):訳 両替の延期
③Immediate Conversion (右):訳 即時の両替 

という意味だからです。

ちなみに、上の画面は、VISAのカードを入れたときで、Mastercardのカードを入れたときは、少し違って、↓こういう画面になります。

国泰世華銀行ATMのDCC画面(Master)

国泰世華銀行ATMのDCC画面(Master)
Masterの場合でも、正解は同じ、真ん中の「②Defer Conversion (中央):訳 両替の延期」です。

台湾以外の、悪質レート提示ATM対策については、↓こちらの記事に詳しく書いています。

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悪質レートATMの見分け方と対策

台湾ATM利用のコツ

海外ATM手数料を取るカードは損(エポス/楽天/セゾンなど)

エポスカード海外ATM手数料
↑エポス公式サイトより

上でも書きましたが、海外ATM引出し(=海外キャッシング)でかかる手数料は、↓こうでした。

海外ATM引出しの手数料
①両替手数料:Visa/Master/JCB/AMEXの両替レートの中に含まれている。通貨ごとに率が違う。
②海外ATM手数料:カード発行会社が取る(→取る会社/取らない会社一覧)。引出1万円超なら220円/回、1万円未満なら110円/回
③ATMオーナー手数料:銀行などATMの持ち主が取る(クレカは無料)。例 タイ220バーツ(約900円)
④利息、海外事務手数料:クレカは利息(1日約0.05%ずつ=繰上返済で減らせる)。デビット/プリカは海外事務手数料(3%など一定額=減らせない)
⑤繰上返済の手数料:国際電話代と振込手数料。ペイジー払い可能なアコムセディナエポスなら無料。

↑この中の②について。

この②の海外ATM手数料を取るカードでのATM引出しは損です。上の調査の中では、エポスカードですね。

取られるATM手数料は、引き出し額により変わり、
●1万円以下なら110円(税込)
●1万円超なら220円(税込)
です。

残念ながらATM手数料を取る会社と、取らない会社でサービスは同じ。それなのに、毎回、110円や220円を取られるのは痛いです。特に、海外では大金を持ち歩くのは危険なので、ATMから少しずつ引き出したいんですが、そうすると手数料がかさみます。

台湾では、100台湾ドル単位でATM引き出し可能なのですが、例えば、1000円程度の引き出しに110円の手数料がかかったら(=上乗せ10%)、ちょっと嫌ですよね。

ATM手数料を取る取らないは、カード会社によって決まっています。ATM手数料を取らないカードを選ぶことがまず第一のポイントです。参考記事⇒海外ATM手数料が無料のカード、有料のカード一覧

セディナ最新情報

セディナは2024年4月に三井住友カードに吸収されました。そして、システムが統合される2024年12月からは、セディナは「②カード会社の取る海外ATM手数料」と「⑤繰上返済(電話代&振込手数料)」の2つが有料になる可能性が高いです。。。セディナのみでやってきた方は、早めにアコムに切り替える準備をしたほうが良さそうです。

③ATM設置者手数料(ATMオーナー手数料)。日本のクレカは請求されない

中国信託銀行のATM手数料の表示画面
↑この100台湾ドルの手数料は日本のクレカなら取られない

上でも少しふれましたが、ATMの持ち主である現地銀行などが取る、ATM設置者手数料(ATMオーナー手数料)ですが、日本のクレジットカードの場合は取られません。これをもう少し詳しく見てみましょう。

クレカでのキャッシングは「借金」扱いで、「借金では決められた利息以外は取ってはダメ」というルールがあり、このルールのためにATMオーナー手数料が取られないのです。

実際に、2023年10月の中国信託銀行ATMと新台銀行ATMの2回の引出しでも、表示されましたが取られませんでした。

100台湾ドルの海外ATMオーナー手数料が載っているレシート(台新銀行ATM)

エポスカードの利用明細画面(台新銀行の請求にATMオーナー手数料は含まれていない)

台湾のATMでは、今のところ中国信託銀行ATMと台新銀行ATMで「100台湾ドルのATMオーナー手数料が請求される」と表示されます。↑上の写真のように、ATM画面にも、ATMのレシートにも、表示されます。

100台湾ドルは、日本円なら約460円。かなり大きいですよね。

この100台湾ドルの手数料は、ATM画面やレシートに表示されるので、「台湾のATMではクレカでもATMオーナー手数料が取られる」と勘違いしている日本人が多いです。デビットカードやプリペイドカードでの引出しのときに取られて、すべてのカードで取られると勘違いしている日本人も多いです。

ですが、実際のカードの請求額と、その時の中間レートを比較すれば、クレカだと手数料が取られていないことを確認することができます。

一方、クレカ以外の場合は、100台湾ドルは取られます。デビットカードや国際キャッシュカード、国際プリペイドカードの場合ですね。RevolutやWiseでも取られるので、注意しましょう。

海外では、ATM引出しはクレカでやったほうがお得なのです。

ATMからカードが出たらすぐに抜き取る

出てきたカードはすぐにATMから抜き取ること
台北富邦銀行ATMの画面。「あと43秒でカードを回収します」の表示を出してくれるところが優しい

海外のATMで多いトラブルが、「カードがATMに吸い込まれること」。海外のATMは、カードがATMから出てきたとき、すぐに抜き取らないと、盗難防止のためカードがATMに吸い込まれることがあります。

なので、「カードがATMから出てきたら、すぐに抜き取る」。これは覚えておいてください。

ATM動画

↓これはちょっと古い動画ですが(汗)。また新しい動画もアップしていきますね。

記事は、以上です。

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